手話の歴史⑧

 現在使われている指文字は、昭和5年頃大阪市聾唖学校の大曽根源助先生考案のものです。始めは大阪でしか使われませんでした。昭和30年代に入ってから全国に普及するようになりました。
 昭和40年代から聾唖者にとって世の中は大きく変わりました。町を歩いて手話をしても変な目で見られたり、笑われてリするようなことは殆どなくなったのです。それはマスコミを通じての手話ブームや手話通訳の普及、聴覚障害者団体の運動などのお蔭で、聾唖者の手話に対する認識が広く普及してきたからです。しかしろう学校がまだ手話を教えていないということは最後に残される問題です。ろう教育にも手話が公的に認められるなら、聾唖者の手話は完全に市民権をもてることになります。社団法人東京都聴覚障害者連盟の方達は手話の市民権を目指し、日々努力しています。

出典:「手にことばを・手話テキスト初級用・」 社団法人 東京都聴覚障害者連盟