現状に満足し、それにおいて安定を感じているものには不安はあり得ない by唐木順三

 以前大学で手話を習っていたのにちなんで手話の歴史の紹介。

 明治以前は学校教育がなかったので、聾唖者集団がありませんでした。そのころの聾唖者が一人ぼっちで暮らしていた中では、言葉がなく、手話が生まれる余地はありませんでした。「手話」が初めて使われたのは、明治になってろう教育が創設されてからでした。世界的な流れでいうと、世界最初の手話使用集団は、1760年フランスのパリに世界最初の聾唖教育施設ができた時からでした。18世紀の終わりから19世紀の始めまでのヨーロッパ各国では、教育を受けた聾唖者たちは、手話使用集団の中に入って一人前に生活をしていました。それと同じ時期の日本の社会人として聾唖者は暗黒時代でした。