kobatada2004-09-05


 己に勝つを賢とし、己が心に負けて悩むを愚とす by鈴木正三

 『まだまだです。中山雅史36歳』という番組を見た。中山の過去を振り返るというより、落ち所(引退)をどこにするのかという感じがした。
 今シーズン磐田は「羅針」というテーマを掲げ、国内チャンピオンのみならずアジアチャンピオンを目標に戦ってきた。だが、アジアのみならず国内でも結果が出せていない。中山自身チームのまとめ役としてその結果に責任を感じていた。それでも「まだまだです。」と言って頑張る姿には共感を覚えた。
 一般的にサッカーのピークは25歳と言われているが、それを一回りも上回っているにもかかわらず、第一線で活躍しつづけている。筑波の同期の武田や井原はすでに引退をしているが、相変わらず彼はピッチに立ちつづけている。36歳にして「まだまだ上手くなりたい!」と言う彼の言葉にウソはないだろう。2、3試合活躍しただけで脚光を浴びる若手と違って、10年以上活躍しつづけるということは並大抵のことではない。人一倍プロ意識が高い彼だからこそ成しえたことだと思う。
 実力がある人間が勝つプロの世界にあって中山自身、若手が台頭してくることを否定しない。ただ、彼自身こんなことを言っている。
 「いいんですよ、練習したくなかったら。そういう気もないやつに言っても無駄。辞めたいなら、どうぞ辞めてください。それで自分はまだまだ居座ることができるんだから。」
 プロ選手がプロ意識やプロであることのプライドを持たない限り、それはただサッカーが上手いヤツでプロ選手ではない。だからこそ中山の「代表発表はドキドキしますね」という言葉にはプロ意識の高さを感じた。