自己責任

 ただ、社会の中の一個人に対し、「自己責任」を用いるためには、次の2つの前提が必要です。1つは、自己責任を負うことになる個人が問題となる局面において少なくとも弱者ではないこと。そして、もう1つは、その個人に対して情報が広く開示され、自由な意思決定の材料が与えられていること。
 もしそうでないなら、万人が「自己責任」を負うのは無理、ということになる。社会的強者で、かつ情報が与えられている個人には「自己責任」を厳しく適用すべきである。しかし、そうでない人に「自己責任」を強制するのは酷ということになる。
 色々と波紋を呼んでいる事件だが、「自己責任」と「責任」(自己責任という言葉が責任に置きかえられるときには注意しよう)を混同して使っている場合があるのでよ〜く見ていると…。